オペラなど空間演出や先端技術の社会実装などを通じて、クロスジャンルかつインクルーシブな試みを他分野で実施している
アートディレクター、クリエイティブプロデューサーとして、アート、デザイン、教育、福祉、エンタメ、ビジネス、技術開発、コンサルなど、さまざまな領域を横断的に活動している。
研究キーワード:空間演出、最先端技術の社会実装、障害者等の社会参画


担当教員
田村 吾郎 准教授
教員の主な活動



- 2020年~
- 「横浜市:横浜WEBステージ」クリエイティブプロデュース
- 2021年~
- 「内閣府:あんぜん運転スコアリング」企画?総合演出
- 2023年
- 「文化庁:群馬交響楽団 スペシャルコンサート」企画?総合演出
略歴
東京藝術大学美術学部デザイン科教育研究助手
【取材記事】大学の学びはこんなに面白い!(2021年11月26日)
プロジェクションマッピングの技術を社会にどう役立て、実装するかを考えるプロジェクトが始動!
田村 吾郎
デザイン学部 工業デザイン専攻 空間演出デザインコース 田村吾郎 准教授

東京工科大学では、革新的かつ実践的な教育活動の一環として、今年4月より各学部?学環における「戦略的教育プログラム」(第二期目)が始まっています。今回はデザイン学部での取り組みについて、田村先生にお聞きしました。
■先生が取り組んでいるデザイン学部の戦略的教育プログラムについてお聞かせください。
第1期の戦略的教育プログラム(2017年度~2020年度)で取り組んだ「プロジェクションマッピングを用いる実践的教育プログラム」では、演習や講義でプロジェクションマッピングの概念や技術といった基礎的な要素に触れ、それを専門演習や卒業研究に結び付けてもらうという試みでした。一方、2期目となる今回は「プロジェクションマッピングを応用した『新しい生活様式』の提案と社会実装のための教育プログラム」というプログラム名ですが、第1期での“プロジェクションマッピング”とは少し意味が違います。
そもそもプロジェクションマッピングとは、凸凹した壁面や立体物に映像を照射して表現する技術です。それらの目的の多くは一種のエンターテインメントショーであり、空間を使った表現そのものだと言えます。ですが今期、私たちが取り組もうとしていることは、そうした表現ではなく、もっと実用的な応用です。つまりプロジェクションマッピングの技術を表現以外にどう使うかということです。例えば、私が研究開発を手掛けてきた半球状スクリーン「Sphere」というものがあります。これは巨大な半球状スクリーンに超高解像度の映像を映し出すことで、その場にいるような臨場感が体験できるというものです。それを今は、テレコミュニケーションの精度を上げる目的で応用しています。例えば、被災現場の様子を広角カメラで撮影したデータを5Gで送信して、東京にいる人たちがその映像を半球状スクリーンで見ることにより、現場にいるような臨場感で空間をシェアするという概念です。プロジェクションマッピングのコア技術は、フラットな壁面ではなく、凸凹していたり歪んでいたり、曲がっていたりするようなところに絵を映し込むというものですから、この半球状スクリーンに投影することも一種のプロジェクションマッピングだと言えます。
このような方向性で、例えば自動車の自動運転において、遠隔操作を挟むためにプロジェクションマッピングの技術を用いるといったことに取り組もうと考えています。ですから同じプロジェクションマッピングの技術でも、前回の自己表現的なものへの使用から、社会に役立つ実用的な部分への使用へと目的がシフトしたわけです。
■第一期の取り組みでは、どんな成果がありましたか?
プロジェクションマッピングには専用の機材などが必要ですか