REC.005 chapter.1「企画の考え方十か条」
season 1
REC.005 chapter.1
企画の考え方十か条
(1)「常識を捨てろ」
(2)「問題を探せ」
(3)「面倒くさいことをやる」
(4)「コラージュしてみる」
(5)「反対から見てみる」
(6)「入れ替えてみる」
(7)「ギャップを作ってみる」
(8)「大げさにしてみる」
(9)「企画100本ノック」
(10)「書を捨て、街へ出よう!」
―企画の考え方は、会社でも意外と教えてくれないものですが、先程の「企画の考え方十か条」は、いろいろな方々の参考になると思いました。そこで今回は、十か条の一つ一つを掲載させていただこうと思います。
松尾健司氏(以下松尾と略):企画とは、夢とリアリティを与える具体的設計図です。先天的に企画力がある人は多分少なくて、好奇心や積極性の延長線上に企画力があり、後天的にでも学習すれば、いい企画を考えられるような気がしますね。
―それでは、十か条をまとめていきたいと思います。まず、(1)から。
松尾:(1)「常識を捨てろ」。常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションだとアインシュタインが言っていました。(2)「問題を探せ」。これは、こんなことがあればいいのにと妄想することで、新しいアイデアが生まれるということです。
―私は、(3)の「面倒くさいことをやる」が重要だと思いました。
松尾:よっぽどの天才でない限りたいしたアイデアは出ないと思っています。誰もが気がつくけれど、面倒くさくて誰もやらないことを考える。面倒くさいところにクリエイティブの宝が眠っているんじゃないかと思います。遠回りに思えるけど、これが一番ユニークな企画作りの近道です。
―(4)「コラージュしてみる」。これは似て異なるものをコラージュしてみる。共通点を探す。新しいアイデアは記憶のコラージュから生まれる、とお話されましたが、体験的に言うと、どんな感じなのでしょうか?
松尾:ある方と飲みに行くことになり、彼が凄い歌謡曲マニアの友人を連れて来たんです。何年何月発売の榊原郁恵さんの曲は何とか、パッと出てくるような、こんな歌謡曲マニアが日本にいたんだと感心しましたね。じゃあ、洋楽と歌謡曲とJ-POPという、似て異なる三つを線でつなぐ企画が出来ないかと盛り上がって、一本の特番が出来ました。新たな人との出会いから生まれる企画もあります。
―それでは(5)「反対から見てみる」、とお話されたのは?
松尾:例えば、バスから生放送をやったら絶対面白いぞって決めたとします。そのときには、技術面やスタッフの立場や視点から方法を実験し、コストまで計算して初めて企画になるのですが、ここで視点の裏側、結果から逆算してみるということです。
―(6)「入れ替えてみる」、(7)「ギャップを作ってみる」、(8)「大げさにしてみる」ですが、一様に言い得て妙ですね。
松尾:講義でも話しましたが、(6)「入れ替えてみる」は、例えば、戦国武将を外国人に置き換えてみるとどうなるか?とか、(7)「ギャップを作ってみる」は、笑いや感動のメカニズムも実は落差だったりしますよね。(8)「大げさにしてみる」は、ささやかなものを大げさにしてみる。例えば、けん玉をサーカスみたいにしてみたら、意外に楽しいエンタテインメントになるんじゃないか、とか。この企画は面白くないなと思ったときに、いつも僕のなかで方程式として、思い出すようにしています。
chapter.1 企画の考え方十か条
chapter.2 企画100本ノック
REC.005 松尾 健司さん
株式会社J-WAVE編成局 制作部長
- REC.005 chapter 1-4 -
- chapter.1 企画の考え方十か条
- chapter.2 企画100本ノック
- chapter.3 書を捨て、街へ出よう!
- chapter.4 ラジオの可能性
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